『はかりとものさしのベトナム史:植民統治と伝統文化の共存』
関本紀子/風響社
はかりとものさし、と聞いてまず思い浮かべたのは昔のチベットのお話。
年貢を図る升の大きさが地域によって違ったり担当者によって違ったり、さらには毎年変わるというお話し。
単位の運用には色々な事情があらわれてくるようです。
さてベトナムではどうなんでしょうか。
重さを規定する「カン」、長さの「カイ・ソー」、広さの「マウ」。こちらもやはり地域ごとに同じ「カン」。
著者は元々度量衡に興味があったわけではないといいます。
ベトナムにおける地域の成り立ちやその相互関係を明らかにしようと、交通、流通、物価というようなものの資料を集めていた。
それらの資料分析しようとしたところ“問題”が発生する。なんと地域によって同じ単位なのに量が違うのだ。
なぜこんなことになるのか。それを解かなければ研究を進められない。
そこからベトナムの度量衡を調べ始めたのですが
「とんでもないところに首を突っ込んでしまったと何度も後悔することになる。」
さて、どんな世界が待っているのでしょうか。